STORIES Vol.1 「鬼退治に国境はない」海外生産のウールニット
―今回の新商品のニットについて聞かせてください。TARROWで冬物のニットは初めてですよね?なぜ今回ニットの生産に行き着いたんですか?
タロウA:そうですね。ニットのラインナップは以前から考えていました。でも、生産地や原料高騰など結構ハードルがあって、手が出せなかったんですよね。
TARROWの商品なので、僕らが納得できるものを適正価格で、より長く着てもらえる品質で仕上げようとすると難しくて。特に適正価格でというのがかなり難しかったですね。
―なるほど。たしかにブランドのニット製品は値段が高い印象があるので調整難しそうですね。今回のニットの生産地は海外ですが、そういった点も考えての海外生産なのでしょうか。
タロウA:いや、そういうわけではないです。実は昔海外に住んでいたことがあって、その時に出会ったニット生産が得意な工場さんの事を思い出しました。思い切って一度相談してみたところ、一緒につくろうと言ってもらえたので、海外で生産することにしたんです。
―TARROWは国内生産のイメージが強いのですが、日本製にこだわりがあったのではないんですか?
タロウA:もちろん、国内の技術を信用していますし、日本を盛り上げようという気持ちは常にもっています。でも、それよりも作り手のやる気と気持ちと人間性、物に対してのこだわりや情熱を感じることができれば、生産地はどこでもいいと思っています。その人達も巻き込んで少しでも、赤鬼退治を一緒にできればと思ってますね。鬼退治に国境はないです(笑)
―”鬼退治に国境はない”いいですね(笑)
このニット、地厚で凄く着心地がいいですよね。何か特別な工夫ってあったりするんでしょうか?
タロウA:そうですね、いろいろありますが、まず糸をウールにしていて、そこで着心地の良さを担保しています。それに今のマーケットはアクリルのような安い原料が多く出回っていて、すぐ毛玉になったり、スカスカになったりすると、翌年また新しいの購入するじゃないですか。それもどうなんだろうと思っていたので、素材は長く使える天然の繊維にしようと最初から決めていました。
もちろん、人それぞれなんですけど。TARROWらしいこだわりを詰め込みたくて、メリノウール90%配合のウール100%の素材で上質で滑らかな素材を選びました。
それと、編み組織はミドルゲージのジャガードにして、2本の糸を使用することで、絶妙な肉感にしていて、1枚でも着用できるし、インナーとしても暖かく長いシーンで着用できるようにしました。
※メリノウール・・・通常のウールより繊維が細く、吸湿性に優れ、肌触りの良いウール。
―確かに、秋先でも着用できそうですし、冬のインナーとしても活用できそうですね。色も今までのラインナップにない色で新鮮さを感じました。
タロウA:そうなんですよ。正直、色はだいぶ迷いました。チームでも検討して、どの色がいいんだろうって話になったんですけど、初めての冬ニットなので、思い切って今までなかった色を入れてみました。プルオーバーのREDは発色も良く、男性が着ても、女性が着てもどちらにでも合うような色だと思うのでおすすめです!
―OATMEAL推しだったのですが、たしかにREDいいですね。
シルエットも可愛いし、合わせやすそうです。ちなみにタロウAさんだったらどんな服に合わせます?(笑)
タロウA:うーん、TARROWのデニムに赤のニットを合わせますね。シンプルだけどこれがかっこいい。
―いつかカシミア製品も買いやすい価格で作ってくださいね。
タロウA:カシミアかぁ・・・(笑)原価高くて結構大変そうですね。でも今回の秋冬が好評だったら来年にでも挑戦してみます!(笑)