今回の生地、マスターシールドを使用したコートはこちら
創業130年の歴史から生まれる最高級品質のコート地 | TARROW TOKYO
自己紹介をお願いします。
野原氏: 野原民夫と言います。ダイワインターテックの代表取締役をやっています。歳は昭和36年生まれ61歳になります。
現在は、綿の先染めの高密度のコート地、うちでしか作れないと言われているものを作っています。
ダイワインターテックについて教えてください。
野原氏:先染めのコート地を作るようになったのが昭和50年前後、要するにオイルショックの前後ですね、そのときから本格的に先染めの2/2の綾織物、要するにツイルであったり、ギャバジンと言われるものを45年間、50年間作り続けています。
前身は、戦後すぐに対米輸出を行っていたようです。私で5代目になりますが、ちょうど3代目、4代目の時代に糸で染めた先染めの織物で、コート地をアメリカに「相当な数量輸出していた」という話を聞いています。
今回TARROWのコートに使われている生地はどういった特徴がありますか?
野原氏:今回使っている生地はマスターシールドと言います。高密度に織って、外気・気温・天候、いろんなハザードから自分の体を守る、洋服を守るという用途に優れています。
染色方法はスレン染めという技法を用いています。これは1902年にドイツで発明された染色方法の一つらしいです。ずっとスレン染めはドイツで使われていたんですが、ヨーロッパ全土に伝わった後、日本にも伝わりました。そのスレン染めをできるのは今だとうちくらいだと思います。
例えば無地であっても白い生地から黒で染める商品より、糸から染めることによって、なぜか生地に立体感が出る。特に、中間色が優れており、光や汗による変色、退色の経時変化にすごく抵抗力がある。
理論上は、百貨店のクローゼットの中に10年間置いてあっても、肩の色が変わらず、色褪せしない。アウターウェアでは必須な機能だと思います。
TARROW TOKYOのコートをどのように着て頂きたいですか?
野原氏:メリットの多い生地なので、大事に永く着ていただきたいなっていうのはありますね。
日本の場合には高温多湿ですから、やはり5月、桜が咲いてゴールデンウィークの頃には、アウターウェア、コートをしまうと言うことをすると思うんですけど、その時に極力、水分を除去してドライな環境で、9月10月までしまって頂くと永く着られると思います。
生地の特性からすると、袖口、襟元、裾、この辺が平織りですから、破れる傾向にあります。これをね、「破れてしまった」と、「嫌だな」と言うふうに思わないで、俗に言うコートの味ではないですけども、アウターとしての味を楽しんでもらえればと思います。
未然に防ぐためには、袖、裾は長めの物を買っていただいて、5年10年少し破れてきたら、それを中へ入れてもらって、近所のお直し屋さんで直してもらう。2千円、3千円かかりますけど。そういう事をしていただければ、飽きずに永く着て頂けるかと思います。